夏の新作アニメと春アニメ、あとハガレン

　この夏始まったアニメについての印象。

　この夏のアニメのように、楽しみなアニメがないというのは、今に始まったことではなく、私にはよくあることだが、それにしても、もうほんとどうでもいい感じだ。考えさせられる事はもとより、ほのぼのもワクワクもヒヤッともサッパリともしそうにない。

　もっとも好ましい印象があったのは「オオカミさんと七人の仲間たち」。が、いまひとつ魅力が足りない。なんかキャラや舞台が捻り過ぎで素直に楽しめなさそうな感じがする。この先、筆が載ってくればもう少し楽しくなるだろうか。早速今週撮り損なってしまったがあんまり惜しくなかった。

　もっとも見つづけそうなのは「屍鬼」。サスペンスホラーは基本的に嫌いではない。好きというほどではないが、やっているとつい続けて見てしまうくらいには好みだ。なかなか雰囲気がある。が、サスペンスだけのサスペンスは見終わった後は、時間を無駄にしてしまった、と思うことが多い。これもそんな種類の作品の気がする。まだわからないが。

　もっとも話が面白そうだったのは「ストライクウィッチーズ２」。もっとも続きを見る気はない。前作は１話しかみておらずしかもまともに見ていないが、今回の１話だけでなんとなくわかったし話の展開はなかなか面白かった。が、いろいろな部分で相当いい加減な雰囲気だし、２作目だからもう完成形のはずなので、プラスアルファの期待感はなく、続きを見たい気は起きなかった。

　総じてなんにせよ期待感がない。

　もっとも「みつばちマーヤの冒険」が面白いので今のところ見るものに困りはしない。

　春に始まったアニメについてまとめ。

　「ＷＯＲＫＩＮＧ！！」は、終わった後、実は結構気に入っていたんことに気づいた。放送中はなんとなく見ていても、終わってみると寂しい感じがする作品がときどきあり、これもそれ。オープニングもいい出来だった。
　なんか淡々として派手な華が感じられないが、多くのキャラがよく立っていて、話をちゃんと運んでいるという作品に多いだろうか。

　「Ａｎｇｅｌ Ｂｅａｔｓ！」は、なかなかいい感じだと思った。
　最初の２話は、映像やキャラに雰囲気はあったものの、基本的には死なない世界で適当に物語る作品かと思ったが、３話以降認識を改めた。
　最後の方はややバタバタと終わってしまった感じがして、途中丁寧に描いていただけにもったいない感じがしたが、基本的にストーリーはしっかりしていてスジは悪い感じがしなかった。キャラ同士の台詞の掛け合いも面白かった。
　まあ、そんなことよりなによりも、奏ちゃんが実によかった。それがなければブルーレイディスクを買うには至らなかっただろう。

　「四畳半神話体系」は、異様な作品の割には、ほのぼのとまっとうな結末を迎えたものだ。それにしてもあれって脚本家大変なんだろうなあ。声優も大変だろうが。

　「迷い猫オーバーラン！」は、物語の基本姿勢がなじめないが、ラストエピソードはなかなかいい感じだった。佐藤順一が絡むとやはり侮れないか。

　「会長はメイド様！」は、この中では唯一続いているが、正直７月以降も続くとは思っていなかった。面白いし、話やキャラがいろいろと好ましく、また鮎沢会長が、りりしく優しく少しトンチンカンに可愛くなによりまっすぐ正しくあろうとする姿が魅力的で、理性的にはイチオシしたいものではあるが、こう、なんというのだろうか。
　話にスリルが足りない。ラブコメ展開としては始まった時から終わっている類の話なので、ネタに困るのではないか、と思ったら、やっぱり１クールで既にいろんな横道に入って、”困った”感がみられた。
　最近話が本線に戻った感じはする。
　あと幸村くんの女装は可愛くて良い。

　さて、この７月は１年３ヶ月に渡る「鋼の錬金術師」が終わった。
　原作をアニメ化する、という点では、まあ途中ペース配分が悪かった感もするが（というか３月で終わるつもりだったのだろうが）、それなりにやることをやっていたようには思える。が、そもそも原作は活劇色が強い。当然ながら今回のアニメも活劇的なものとなり、時間的な余裕のなさから来る余裕のない演出がそれに拍車をかけた。活劇を目指すにしても、ある程度溜めるところは溜めなければただドタバタに感じられてしまう。記憶が適当なのだがイシュバール内乱の話が特に惨かった気がする。４月以降（正確には、よく覚えてないが今年に入ってから）マシになったが、それでも、原作をなぞっている、という以上の印象を持つことはなく、総じて、前のアニメの哲学的な作風と比べて、長年かけた作品のラストとしては食い足りなさが残る作品となった。
　もっとも私は単行本が刊行されているところまでしか知らないので、ほんとに最後まで原作どおりなのかどうかはまだ知らないが。