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サマータイムがピーク電力を減らせるの? [社会っぽい]

 サマータイムがなぜ今回の節電、つまりピーク電力削減にちょっとでも役立つというのかが、全然理解できない。にもかかわらず鉄道会社までそれに合わせて朝早くから運行しようというところまである(終電も合わせて前倒しされる)。

1.大前提として、今回減らさないとならないのは、総消費電力(=省エネ)ではなく、ピーク電力である。
2.ピーク電力を削減するには、最もたくさんの電力を使っている時間に電気を使わない工夫が必要になる。
3.電力使用のピークは、1~3時頃、真昼間のど真ん中にある。
4.問題となっている時間の電力消費で最大の問題となっているのは冷房だと思われる。
4.サマータイムはせいぜい1~2時間時刻が進むだけである。つまり、1~3時は、せいぜい3~5時になるだけである。それも時計をずらすだけで、太陽の上っている位置が変わってくれるわけではない、つまり気温が変わるわけではない。
5.人の発生する温度は人が寝ている間は少なく、人が活動を始めると生じ始める。サマータイムで7時に起きていた人が5時に起きるようになったら、サマータイムの3時には10時間も活動していろんな熱を発生していることになる。いうまでもなく、普通より2時間長い活動分の熱を発生する。

 こう考えると、サマータイムはピーク電力を増やしこそすれ、減らすと言う理由が見つからない。

 とはいえ、人によっては自明のことだとは思うのですが、私は諦めが悪いので、まともな理由を探して見ました。いまさら感もあるでしょうが、時間がないのでしょうがない。

 サマータイムは「効果なし」? 夏の節電策で議論
『 野村総研が3月30日に発表した提言の中でも、サマータイムや時差通勤は「効果が不透明な施策」のひとつに挙げられており、それよりも「確実に効果が見込める『総量規制』などの施策の具体化を急ぐべき」としている。

夏季の電力使用ピークは、10時から17時。仮に2時間前倒ししたとしても、就業時間がピーク時内に収まる上に、終業後の商業需要が重複して最大使用電力が増大してしまう可能性もあると指摘する。』

 これをはじめ、
 サマータイムは多少効果がある
 ただし効果としてあげているのは、そもそもが”省エネ”に対する効果で、ピーク電力に関する議論は全然ない

という内容が多いようです。

 社説:サマータイム 節電効果だけじゃない
『 夏の暑い時期、電力の使用量は大抵、午後2~3時ごろに最大となる。気温が一日の中で最高となり、冷房需要がピークに達する時間である。同時に経済活動が最も活発になるのも昼休み後のこの時間帯だ。

 一方、一日で電力使用が最低になる午前5~6時ごろはピーク時の半分程度しか使っていない。供給力にゆとりがある早い時間帯に経済活動を開始し、ピークを暑さのピークとずらすことができれば、電力使用の一点集中が緩和できる。』

 見た中で初めてピーク電力が減少する理由が書いてありました。

 サマータイムと節電効果を、少しまじめに考えてみるにも同じ趣旨のことが書いてありました。毎日の社説より言わんとすることが理解しやすいです。

 5時に始業すると、2時では9時間、昼休みを抜くと8時間。残業さえ禁止であれば、電力ピーク時刻には終業できるわけです。が、逆に、残業を許せば一気に破綻します。残業が常態であるウチの様な職場では机上の空論です。
 さらに、自分にとっての問題は、2時間も通勤にかかっている人が5時に会社にたどり着く手段はない、ことですが。
 もうひとつ、昼間は電車が一番少ない時間ですが、終業時刻となればフル稼働しなければならない。電力ピーク時に電車がフル操業、は、大丈夫なんでしょうか。

 その他、みんながその時間にウチに帰ったら結局どうなるのか、みんなが自宅のエアコンをフル稼働して大丈夫なのか。
 また、午前5時出社に合わせて午後10時に寝ようと思ったらどうなるのか。少なくとも断熱の不十分な集合住宅の最上階に住む人は、多分まだ結構灼熱地獄の最中です(経験談)。
 それと、「みんなで朝早く」というのも気になります。みんなで同時に動くと、効率は確実に落ちるにもかかわらず、ピークは確実に上昇する。みんなで朝5時に働こうと思ったら、みんなで午前10時に寝る、ということで、寝苦しければみんなでエアコンを使う、ということになるのでは。なんせ5時には会社に居なければならないんだから。ピークを下げたいのに行動を集中させてどうするんだ、と。

 以下は放言ですが、私は、むしろ逆サマータイムを推奨。12時から21時まで仕事。会社は朝の誰も居ないうちにできるだけ冷やしておけば3時間くらいはなんとか持つかも。睡眠は14時~9時くらいの涼しい時間に効率よくとる。
 当然、自分が夜型だからこんなことを言ってます。というか、今の生活リズムとそんなにかわらない、というより残業がない分楽、です。

 もうひとつ案。昼間に2時間くらい昼寝する。
 昼寝をすればPCなど使用する電気は落とせるし寝れば代謝が下がって発熱が減るし、第一昼寝は体にいい。根拠はないですが、眠たい時刻に寝るのだからいいに決まっています。
 これは私にとっては嬉しい案ですが、会社に長く居たくない人や小さい子の送り迎えをしないといけない親にはろくでもない案です。
 朝遅くまで寝ていて21時まで仕事、というのもやはり子育て中の親にはろくでもないです。じゃあ子育て中の人は事情がない限り原則在宅勤務で。

 どちらにしろ、1時間のサマータイム+2時間の始業前倒し、までいっている話は聞いたことない。しかし、そこまでやらないと効果はなさそうなので、やはり裏の理由がある、と思うのが妥当だ。

P.S TRON OSで有名な坂村教授がすでに私と同様の考えをとっくに書いてくれているのを見つけました。
時代の風:サマータイム制は論外=東京大教授・坂村健

『 一律時計を進めるようなサマータイム制は多くの人も指摘しているようにピークを崩さずそのままズラすだけ。そもそも「電力需要のピークを生むのは真昼の空調」という現代では、太陽の出ている時間に社会活動量を増やすことが本質的目的のサマータイムは省エネどころか増エネ要因になる。』

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